【徹底解説】メタネーション技術(カーボンリサイクル)

カーボンニュートラル
ニュー太郎
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カーボンニュートラル実現に向けて注目されている技術に”メタネーション”があります。

今回は、メタネーションについてチェックしていきましょう。

この記事を読むことで、

 ✓ メタネーションとは何か がわかる

 ✓ メタネーションへの期待 がわかる

 ✓ メタネーション技術実現に向けた取り組み がわかる


メタネーションとは何か

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まずは概要を押さえきましょう。

”メタネーション”とは、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を合成して、

メタン(CH4)を作り出す技術です。

副生物として、水もできます。

※Catalystは、触媒のことです。

CO2からメタンを合成! “メタネーション”とは?

https://emira-t.jp/special/19969/

メタネーションによって合成されたメタンは、

「カーボンニュートラルメタン」もしくは「合成メタン」と呼びます。


メタンは天然ガスの主成分です。

メタネーションによって生成されたメタンは、ガスタービンなどへの直接利用や、

都市ガスなどの代替として導管供給することを想定しています。

導管供給は、都市ガス導管やガス消費機器などの既存のインフラ・設備は引き続き活用できます。

その為、メタネーションは「経済効率(Economic Efficiency)」にすぐれており

コストを抑えてスムーズに脱炭素化を推進できると見込まれています。

カーボンニュートラルチャレンジ2050 アクションプラン

https://www.gas.or.jp/newsrelease/0610.pdf

このように、メタネーションによりCO2を再利用することでカーボンリサイクル実現させる

ということで、脱炭素社会実現に有望な技術と位置付けられています。


また、このメタネーションには水素が必須であり、使用する水素をどのように供給するかというのも非常に重要な論点です。


 


メタネーションへの期待

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カーボンニュートラルに向けて、メタネーションに期待されている

具体的な数値も見ていきましょう。

ここの内容は、資源エネルギー庁のスペシャルコンテンツ

「ガスのカーボンニュートラル化を実現する「メタネーション」技術」です。

メタネーション技術の活用により期待されていることは、ガスの脱炭素化です。

メタンは燃焼時にCO2を排出しますが、メタネーションをおこなう際の原料として、

発電所や工場などの大規模発生箇所から回収したCO2を利用すれば、

燃焼時に排出されたCO2は回収したCO2と相殺されることになり、

大気中のCO2量は増加しないということになります。

発電所などから回収したCO2を利用してメタネーションをおこなう工程を図であらわしています。
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カーボンリサイクルを完遂するためには、

排出されたCO2を回収し、再度メタネーションする必要があります。

しかし、想定している合成メタンの使用先は各家庭などと分散されるため、

回収は困難です。


メタネーションは、2021年6月に策定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において

「次世代熱エネルギー産業」に位置づけられ、成長が期待される重要分野とされています。

天然ガスを合成メタンに置き換えていくにあたっての、導入量と供給コストは

具体的な目標が定められています。

目標とする2050年に、都市ガスの90%が合成メタンに置き換わった場合、

日本ガス協会ではCO2削減効果を年間約8000万トンと試算しています。

これは、日本全体のCO2排出量の1割弱に相当するため、脱炭素化への効果は大きいです。

2050年ガスのカーボンニュートラル化を実現するには、ガスの90%が合成ガスに、5%が水素直接利用に、5%がバイオガスやその他脱炭素化手立ての利用に置き換わらなくてはならないことを示した円グラフです。

ガスのカーボンニュートラル化を実現する「メタネーション」技術

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/methanation.html

メタネーション技術実現に向けた取り組み

【日本】

1995年に日本は世界で初めて、メタネーションによる合成メタンの生成に成功しました。

その後も研究開発が進み、2017年度から2021年度にかけて、

国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として、基盤技術開発をおこなっています。


【欧州】

欧州委員会が提供する研究助成プログラムの支援を受けた「Store&Goプロジェクト」というものがあります。

このプロジェクトにおいて、メタネーションに関する実証がスイス、イタリア、ドイツの3カ国で行われています。

このプロジェクトの特徴は、それぞれの地域特性に合わせた再エネやCO2の調達をしていることです。

スイス

アルプス地域の太陽光・水力発電の電力をメタネーションに活用して実証中。

イタリア

地中海沿岸地域の風力発電などの電力をメタネーションに活用して実証中。

ドイツ

自動車大手Audiは「e-gasプロジェクト」を実施しており、

太陽光・風力発電由来の水素と近隣のバイオガスプラントが排出するCO2から

メタンガスを製造し、Audiが市販する天然ガス自動車の燃料として供給しています。

※グリーン電力、水、二酸化炭素を使用して、水素と化学合成メタンガス“Audi e-gas”を精製


株式会社日立総合計画研究所 メタネーション

https://www.hitachi-hri.com/keyword/k127.html#:~:text=%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E6%B0%B4%E7%B4%A0,%E4%B8%80%E3%81%A4%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

ニュー太郎
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メタネーション技術はカーボンニュートラルを実現する上で重要な技術です。

今後も動向をチェックしてきましょう。

 

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