2030年のエネルギー需給算出結果は?
2030年のエネルギー需給算出結果とは、2030年のエネルギー戦略として前回の記事で紹介したエネルギー需要、エネルギー供給を加味したエネルギー需給の算出結果のことです。
2015年に策定されたエネルギー需給の算出結果を2021年10月に改定されています。
では、実際に見てみましょう。
エネルギー需給の減少に伴い、エネルギー供給も減少しています。
需給が減れば供給が減るのはもちろんですが、なぜエネルギー需給が減ったのかといった、その内訳を見ていきましょう。
2030年のエネルギー需要 算出値
まずは、図の左側に示しているエネルギー需要についてです。
ここでも登場するのが、「野心的な」という記載です。
2030年度のエネルギー需要は、対2013年度で下記の前提となっています。
項目 | 対2013年度 | 解説 |
省エネルギー量 | 6200万kL減少 | (前回の記事参照) |
経済成長 | 1.4%向上 | 最新の情報により修正(実質GDP成長率) |
人口 | 0.6%減少 | 最新の情報により修正 |
旅客輸送量 | 2%減少 | 新型コロナウイルスの影響などを踏まえて修正 |
エネルギー需要は、2015年の施策では326百万kLでしたが、今回は280百万kLとなっています。
その内で、省エネルギー量が12百万kL増加(エネルギー需要は減少)していますので、
経済成長と人口、旅客輸送量等の見直しにより、2015年の施策から34百万kLのエネルギー需要の減少です。
経済成長と人口、旅客輸送量等 による減少量 (326-280)-12=34百万kL
また、電力と熱・燃料等の比率として、電力の比率が高くなっていることは変わらずです。
電化を進めていくことに変更はなしということです。
2030年のエネルギー供給 算出値
次に、図の右側に示しているエネルギー供給についてです。
図で目立つように書かれているのがエネルギー自給率です。
エネルギー自給率は2015年策定時;24.3%程度から大幅に増加(5.7%増加)して30%程度としています。
内訳は、再エネ:22~23%程度、原子力;9~10%程度となっており、
低い方を足しても31%では? という疑問もありますが、ここは四捨五入、又は”程度”という範囲なのでしょう。
ちみみに、幅がある比率で書かれているものは、左側の数値を足すと全体で100%になります。
エネルギー自給率の内訳として2015年策定時と比較すると、再エネ比率;9%増加、原子力:2%減少です。
再エネと原子力の変化量を足すと、7%増加なので数値がやはり合いません。。。
2015年策定時に対して需給減に伴い、供給も減少していますので、量というよりも各一次エネルギーの比率を見ていきましょう。
まず、2015年策定時と比較して特徴的なのが、水素・アンモニアがエネルギー供給に追加されていることです。
2百万kLと比率は1%ですが、これは大きな点で今後、力を入れていくということがよくわかります。
水素・アンモニアは依然紹介したグリーンイノベーション基金(GI基金)でもサプライチェーンから支援しており、今後益々注目されています。
重要なのは再生可能エネルギーの比率であり、再生可能エネルギーの比率を9%程度増加させることで、石炭・石油を追い出していくというのがメイン戦略です。
今後は、水素・アンモニア、再生可能エネルギーに着目していきましょう。
資源エネルギー庁 エネルギー基本計画について
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/
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